5 /5 鑫#イ言θ月(覚満): 好事家の骨董商佐原鞠塢が造った庭園。当初は梅園だったがここに集う文人墨客の好みに合わせるかのようにして様々な草花が植えられた百花園へと変化していったという。開園は文化年間、東向島に玉の井私娼街ができる遥か前である。入口は駅とは正反対となる南西側。入園料150円。都立九庭園の1つであるが敷地はそんなに広くない。池も他の池泉庭園のような大規模なものではない。市井の町人達が鉢に植えられた花の風流を愛でるような庭園である。庭園お決まりの巨大な石組みなど無い代わりに二十九もの石の句碑が建てられている。植えられている草木は多様多種、春の七草・秋の七草などあるが詳しいことは分からない。様々な草花が無為自然といった感じで無造作に植えられている。他の人のコメントには荒れている・手入れがされていないとの意見が散見されるがそうではない。剪定された松・広々とした芝生、巨石と樹木からなる雄壮な大名庭園の在り方とはそもそも違なる草花の庭園なのである。草花だって系統立てて整然と植えることができるとの意見もあるがそうすると小石川植物園のような科学的な感じになってしまって野趣からは遠のいてしまう。浅茅が原と呼ばれていた頃の隅田川畔を思わせる原野の雰囲気を愛でるのが百花園の醍醐味である。まずは紅葉を見てほしい。紅葉の赤と公孫樹の黄のコントラストが効いた色鮮やかな紅葉ではない。濃い深緑から青緑と鮮緑を経て浅緑そして黄緑さらには薄緑・枯茶色へと淡いグラデーションで移っている。これが野草の紅葉なのである。慎ましやかな色彩の変化、無尽に広がる青々とした葉の数々、そこに生命の宇宙を見るのである。まあ小難しいこと考えなくてもスカイツリーを借景として撮れば堂に入った風景となるのでそれで良いのではないでしょうか。