4 /5 フクロウ: 世田谷区桜。1335年創建。本尊は虚空蔵菩薩。このお寺は心源院(現在の八王子市に所在)の末寺で、創建したのは当地の領主・吉良治家(または吉良頼氏)と言われています。もともとは龍鳳寺という寺号でしたが、吉良氏朝が父・吉良頼康の菩提を弔うために再興し、頼康の法名に因んで勝光院と改称されました。吉良氏の菩提寺であり、今も境内には吉良氏の墓があります。江戸時代には、徳川家康から30石の朱印地を与えられています。これは勝国寺(12石)、世田谷八幡宮(8石)と比べても破格の待遇でした。これは家康による吉良氏の旧家臣への慰撫の意味合いがあったとされます。
明治維新後は、寺の所領の多くが没収され、寺の存続が危ぶまれ、建物の売却や末寺の併合を行いました。昭和に入ってから、山門や控室を再建。1977年には1944年の金属供出を逃れて所在不明だった梵鐘が葛飾区の寺院から返還され、1982年には大幅な改修が行われました。
先程書いたようにこのお寺は吉良氏の菩提寺です。世田谷では井伊家の菩提寺である豪徳寺が有名ですが、吉良氏は中世に世田谷を治めた一族。世田谷の歴史は吉良氏抜きでは語れません。ひっそりと佇む吉良氏の墓前に手を合わせていただきたいと思います。