4 /5 Seiji Yamamoto: 大阪府池田市にある「カップヌードルミュージアム」は、単なる企業博物館ではなく、インスタントラーメン発明の父、安藤百福(あんどうももふく)氏の創造的な精神を、老若男女が体験を通じて学べる場所です。
このミュージアムの入場は無料であり、気軽に立ち寄れるのが魅力ですが、その真価は、館内で行われる「創造的な体験」に集約されています。
特に子供たちを魅了してやまないのが、人気の体験型アトラクション「マイカップヌードルファクトリー」です。
これは、オリジナルのカップヌードルを自分で作れるという体験で、参加費はわずか500円です。
まずは真っ白なカップに、思い思いに絵やメッセージを書き込み、世界に一つのデザインを完成させます。
次に、4種類のスープ(チキンラーメンの秘伝のタレをベースにしたものなど)と、約12種類の具材の中から4種類を自由に選びます。この具材の中には、ひよこちゃんナルトや、ここでしか選べない限定具材も含まれており、選択のプロセス自体が楽しい「食のクリエイティブ」です。
そして、工場さながらの工程を経て、アルミ蓋で密閉・包装され、オリジナルのカップヌードルが完成します。
この一連のプロセスは、子供たちにとって「モノづくりの喜び」と「食の楽しさ」が直結する、最高の教育的体験であり、持ち帰ったカップヌードルは最高の記念品となります。
ミュージアムの随所には、安藤百福氏の有名なトリビアが散りばめられています。
世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」は、特別な研究室ではなく、自宅の裏庭に建てた小屋で、百福氏が試行錯誤を重ねて生み出されました。麺を油で揚げることで乾燥させ、保存性と調理の容易さを両立させるという、まさに「台所の発明」から始まったのです。
海外視察の際、百福氏が現地の人々がチキンラーメンをマグカップに割って食べる姿を見て、フォークで食べられるようにと着想を得たのが、あのカップ型の容器です。これもまた、常識にとらわれない発想の転換から生まれたものです。
このミュージアムは、子供たちに「発明とは何か」「創造性とは何か」を、最も身近な食べ物を通じて伝えてくれる、知的好奇心を満たす最高のスポットでした。