5 /5 Susumu TAKAHASHI: 2026/2/22
横浜・鶴見にある「總持寺(そうじじ)」。駅から歩いて向かうと、住宅地の先に突然あらわれる広大な境内に、まず驚かされます。とにかく広い。その面積は、東京ディズニーランドとほぼ同じで、歩きやすい靴で行くのがおすすめです。
ここは、鎌倉新仏教の一つである曹洞宗の大本山。福井の「永平寺」と並ぶ、二大本山のひとつです。もともとは鎌倉時代の1321年(=後醍醐天皇が親政(天皇自身による直接統治)を開始した年)に能登で開かれましたが、1898年(明治31年)の大火で伽藍の大部分を焼失したことをきっかけに、布教の拠点として現在の鶴見へ移転したという、少し珍しい歴史を持っています。
難しいことはさておき、境内を歩いていると感じるのは「整っている」という空気。曹洞宗は、道元禅師が伝えた禅の教えを受け継ぎ、特別なことをするというよりも、掃除や食事など日々の営みを丁寧に重ねることを大切にする宗派だそうです。その精神が、そのまま景色ににじみ出ているように思えます。
特に印象的なのが、「百間廊下(ひゃっけんろうか)」と呼ばれる長い廊下。香積台(こうしゃくだい)から大祖堂(だいそどう)までを約152メートルで結ぶこの廊下は、国の登録有形文化財にもなっています。修行僧の方々が毎日欠かさず雑巾がけ(=洒掃行(しゃそうぎょう))をしているそうで、床は顔が映るほどぴかぴか。ただの通路ではなく、そこ自体が修行の場だということです。
歴史の授業で習った「鎌倉新仏教」が、いまもこうして巨大な寺院として息づいている。そんなことを思いながら歩くと、少しワクワクします。
ゆっくり自分のペースで歩き、整った空気を味わうことができる場所。鶴見に来たら、ぜひ時間に余裕をもって訪れてほしいお寺です。